庭に出たら、甘い匂いがした。
香りのある木が好きで、気づいたら庭に何本も植えていた。
金木犀(キンモクセイ)、ニオイバンマツリ、カラタネオガタマ(ポートワイン)、蝋梅(ロウバイ)、梔子(クチナシ)、沈丁花(ジンチョウゲ)。
気づいたら日本四大香木をコンプリートしていた。
狙ったわけじゃないけど、みんなが好むから4大なんだろうな、と思う。
四大香木は、咲く季節がひとつずつずれている
あとで知って、ちょっと感心したことがある。
- 沈丁花— 春(2〜4月ごろ)
- 梔子— 夏(6〜7月ごろ)
- 金木犀— 秋(9〜10月ごろ)
- 蝋梅— 冬(12〜2月ごろ)
きれいに一周している。この4本を植えると、一年じゅうどこかが香っていることになる。
もちろん、そんな設計をしたつもりはまったくない。ただ「いい匂いだな」と思ったものを、そのときどきで買ってきただけである。それでこうなるのだから、四大香木というくくりは、たぶんずいぶん昔から同じことをやってきた人たちが名づけたのだと思う。
今は2種類が重なっている
カラタネオガタマ(ポートワイン)が満開だった。
紫がかった小さな花が枝いっぱいに咲いていて、
バナナのような甘い香りが漂っている。

少し先にはニオイバンマツリも咲いていた。
紫と白が混在していて、こちらも香りがある。

2種類の甘い香りが重なる季節が、今だった。
庭にいるだけで、なんか得した気分になる。
ちなみにニオイバンマツリは、漢字で書くと「匂蕃茉莉」。匂(香り)があって、蕃(外国)から来た、茉莉(ジャスミン)。名前が丸ごと香りでできている木である。花は咲きはじめの濃い紫から、二日ほどかけて白へ変わっていく。上の写真で紫と白が混ざっているのは、そのせいだ。
ハイビスカスの話
ハイビスカスは毎年雪で地上部が枯れる。
古参のオレンジは経験上わかっていた。
枯れても株元から芽が出る。毎年そうだった。
(その話はこちら)
新しい品種は違う。
派手で珍しいやつほど、冬に死ぬ。
こういう花が、毎年いくつか消えていく。

今年、デニムブルーとパープルレインボーの株元に
小さな新芽が出ていた。

諦めていたやつが、出てきた。
なぜかFF10のユウナレスカを連想する花なんだけど、
ニッチすぎてごめんなさい。

そういう花が冬を越えてくるのは、余計に嬉しかった。
この「諦めていたやつ」は、このあと何度も出てくる
このときは、たまたま運がよかったのだと思っていた。
そうでもなかった。このあと初夏に剪定をしたら、忘れていたブルーベリーもタイタンビカスも株元から出てきたし(→切ったら、みんな生きてた。)、夏には2020年から咲いていないプルメリアまで葉を広げてきた(→引導、渡しそこねた。)。
どうもうちの庭では、こちらの「もう駄目だ」がよく外れる。判定が早すぎるらしい。
——と書いておいて、いまは四大がそろっていない
正直に書いておくと、この記事のあと、コンプリートは崩れました。
沈丁花とクチナシを、抜いたからである。枯れたのではなく、果樹を植えるために自分で抜いた。庭は有限なので、何かを植えるには何かをどかすことになる(→残ったのは、香る木だけ。)。
さらに言うと、秋担当のキンモクセイは何年も咲いていない。四大どころか、いま確実に香ってくれるのは冬の蝋梅くらいである。
ただ、抜くときについでに挿しておいた枝が、ちゃんと根づいている。沈丁花もクチナシも、全部ついた。だからそのうち、また一年が一周するのだと思う。
—
今日も角砂糖ひとカケ🧊
香りは、庭に出る理由になる。
新芽は、庭を続ける理由になる。