折れても根は腐らない|ハイビスカス挿し木と冬越しの小さな奇跡

お気に入りのオレンジ×桃×紅のグラデーションが美しいハイビスカス。雪で枯れたと思った株が奇跡の復活を遂げて咲いた花。 🌱庭のつづり

強風で折れた枝から、思い出すこと

最近、強風のニュースを見るたびに思い出す。
あの日、庭のハイビスカスの枝がポキッと折れたこと。

最初はショックだった。
けれど同時に、こうも思った。
——「これは挿し木のチャンスかもしれない。」

私は、わざわざ枝を切るのが苦手だ。
だから、強風やアクシデントで折れてしまったときだけ、
“仕方ない挿し木”をするようになった。
そんなきっかけで、少しずつ“バックアップ”が増えていった。

でも、私が挿し木を始めた本当の理由は、
あの雪の年の出来事からだ。


冬を越せないと思ったあの株が…

お気に入りのハイビスカスが寒さで枯れてしまった冬。
春に抜こうとしたとき——
根元から、小さな新芽がひっそり顔を出していた。

“生きてたんだ。”
思わず、声が漏れた。
その瞬間の嬉しさは、今でも鮮明に覚えている。

そして翌年、また咲いた。
オレンジと紅、そして桃色が混ざりあうその花色は、
まるで過去と今が重なり合うようで、
一層、愛おしく感じた。

それ以来、「この子を絶やしたくない」と思うようになった。
折れても腐らない根を信じて、挿し木を始めた。


ハイビスカスの挿し木に使う土は?

私が使っているのはバーミキュライトだけ
理由はシンプル。
根が出る前に肥料があると、かえって腐りやすいから。

昔、蟠桃(ばんとう)の種を発芽させたとき、
嬉しさのあまり液肥を与えて枯らしてしまった苦い経験がある。
それ以来、私は学んだ。
「何もしない勇気」も、育てる力のひとつなんだと。


冬を越せずに散った花たち

もちろん、すべてが上手くいくわけじゃない。
冬を越せず、春を待たずに枯れていった子たちもいる。

淡い紫のあの子は、どこか幻想的で、
まるでユウナレスカ(わかる人いる?(笑))。
儚いのに、目が離せなかった。

でも、そういう子たちがいたからこそ、
「今ある一輪」に感謝できるようになったのかもしれない。

バーミキュライト挿し木のいま

今年の挿し木たちは、梅雨前に挿したもの。
鉢底から白い根がのぞき、
見えないところで生きていた証が見えた瞬間、
思わずニヤリとしてしまった。

梅雨前に挿したハイビスカスの挿し木苗。バーミキュライトで青々と育つ。
ポットの底からのぞく白い根。見えないところで育つ命の証。
室内で冬越し準備中のハイビスカスの挿し木苗。春の地植えを待つ。

鉢上げした苗は室内で冬越し中。
バーミキュライトだけの、静かな小さな世界。
見た目は地味でも、この中では小さな根が確かに息づいている。
春になったら、また外の陽ざしの下へ。


秋の挿し木も、また挑戦

玄関先の通路で、顔に当たりそうな枝を剪定した。
どうしても捨てられなくて、また挿し木にした。
秋の挿し木は少しリスクもあるけれど、
「もしかしたら」がある限り、やっぱり試したくなる。

秋に剪定したハイビスカスの枝を挿し木。冬越しに挑戦中。

同じように、冬越しで悩んでいる人へ

もしあなたも「ハイビスカスの冬越し」で悩んでいるなら、
焦らず、折れた枝を挿してみてほしい。
ほんの少しの希望を、土の中に残すような気持ちで。

見えないところで、ちゃんと生きているから。


🌿今日のひとカケ🧊

折れても根は腐らない。 そういう人に私はなりたい。

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