書斎の水槽にボウフラが湧いた話を書いたのが、今月のはじめだった。
羽化して隣の寝室へ行かれる前に、メダカを掬って放り込んだ。水合わせもせずに、である。あのとき私は、記事の最後にこう書いた。
——本来は緊急でなければ、きちんと水合わせしてから入れること。うちは真似しないでほしい例。
その回収をしにきた。
メダカが、数週間もった
ボウフラは翌朝には消えていた。それはいい。問題はそのあとである。
水合わせなしで放り込んだメダカが、そのまま生きるかどうか。
生きた。数週間、ふつうに泳いでいる。
これで分かることがある。あの水は、生き物が住める水になっていた。水草だけで何ヶ月も回していた水に、バクテリアがちゃんといたということだ。
パイロットフィッシュの役目は、まさにこれである。その水で飼えるかを確かめる。確かめ終わった。
タンクメイトを入れていい。
ペットショップが、ホームセンターの中にある
うちのコのひんやりベッドを買いに行った。同じ建物に園芸コーナーがあって、そこでハイビスカスを二株買ったのは別の話である。
生体コーナーにも寄った。
ストロベリーシュリンプ。
うちにもいる。ただしメイン水槽はミックス状態で、赤も黄も青も混ざって泳いでいる。あそこから掬ってくると、どの子がどの系統か分からない。
だから新規でお迎えした。うちの個別水槽はイエローとブルーベルベットのふたつしかなかったので、書斎の水槽がストロベリーの個別水槽になる。
我流の水合わせ、ズボラ式
先に断っておく。これは我流である。そして前提がある。
水槽の中が生体水で、バクテリアが安定していること。新しい水だらけの水槽は危険だと思っている。そこにいきなり生体を入れるなら、丁寧な水合わせをしても厳しい。
これは五月にエビを全滅させたときに学んだ。水質が安定する前に入れて、しっぽが赤くなって、全員死んだ。
今回はパイロットフィッシュが数週間もっている。行けると踏んだ。
一、袋のままドボン
買ってきた袋を、そのまま水槽に浮かべる。

温度合わせである。三十分以上は放置する。
ここは誰でもやる工程だと思う。問題はこの次だ。
二、袋の下に、爪楊枝で穴を開ける
水合わせの定番は点滴法である。チューブで少しずつ水槽の水を袋に落として、時間をかけて水質を近づけていく。
あれが、性に合わない。
道具を出すのが面倒だし、落ちる速度の調整でだいたい失敗する。
あと、これは完全に個人的な話なのだが、私は先端恐怖症である。
尖ったものが苦手だ。注射はもちろん、ピンセットの先も、まち針が並んでいるのも、見ていて落ち着かない。
念のため書いておくと、アクアリウムの点滴法に針は一本も出てこない。使うのはチューブと、水量を絞る小さな弁だけである。こわがる要素はどこにもない。
それでも、名前がよくない。
点滴。
あの言葉を見るたび、腕の内側のことを思い出す。関係ないと分かっていても、やる気が二割ほど削られる。
なので、こうしている。
袋の下のほうに、爪楊枝で穴を二か所ほど開ける。そしてまた放置する。

穴から、じわじわと水が入れ替わる。袋の中の水は下から抜け、水槽の水が入ってくる。点滴法と同じことが、道具なしで起きている……はずだ、というのが私の理屈である。
エビは袋の中にいるので、まだ出ない。
三、横に倒して、あとは待つ
放置が済んだら、袋を横に倒す。
これで口が水槽側に開く。あとは何もしない。
掬わない。追い出さない。勝手に出てくる。

マンホールの上に、一匹乗っていた。
いらっしゃい。こんにちは。
| 入れたもの | ストロベリーシュリンプ(書斎の水槽=ストロベリーの個別水槽にする) |
| 前提 | 水槽内が生体水で、バクテリアが安定していること。パイロットフィッシュのメダカが数週間もったことで判断した |
| 手順 | ①袋のまま浮かべて三十分以上(温度合わせ)→②袋の下に爪楊枝で穴を二か所開けてまた放置→③袋を横に倒して放置、勝手に出てくるのを待つ |
| なぜ点滴法でないか | 道具を出すのが面倒で、落ちる速度の調整で失敗するから。我流である |
| ⚠️注意 | 立ち上げ直後の水槽ではやらないこと。うちも五月に、水質が安定する前に入れて全滅させている |
今日も角砂糖ひとカケ🧊
丁寧にやらない方法を、丁寧に決めている。