💧 水辺のしらべ

苔が、なくなっていた。

ガラス面が、緑になっていた。

苔だ。スポンジで擦ればとれるが、翌日にはまた生えている。いたちごっこにもほどがある。

苔で黄緑色に覆われた水槽。ガラス面が濁って視界が悪い状態

調べたら、カバクチカノコガイというのがいいらしかった。苔取りの貝として有名で、「最強」という文字があちこちで出てきた。フネアマガイという選択肢もあったが、カバクチの方が安かったので、カバクチにした。

入れてすぐ、ガラス面に張り付いて動き始めた。

投入直後のカバクチカノコガイ。ガラス面に張り付き仕事を始める様子

食べている。ちゃんと食べている。通過した跡だけきれいになっていく。

カバクチカノコガイがガラス面を這いながら苔を食べているアップ写真

数日後、ガラスが透明になっていた。

カバクチカノコガイ投入後、ガラス面が透き通ってきれいになった水槽

黙々と働く。文句も言わない。ごはんは苔で足りている。こういう存在が、水槽には必要だ。

その後、カノコさんは天命をまっとうした

この記事から七か月半たった春、ガラス面がまた曇りはじめた。じわじわと、しかし確実に。見に行ったら、カノコさんが静かに役目を終えていた。

後継を買いに、いつものショップへ行った。「カバクチカノコガイ、入ってますか」「あー、最近入荷ないんですよね。予定も今のところ……」

そうか。同じ貝は、もう来ない。それで、あのとき値段で見送ったほうを迎えることになった。フネアマガイである。

カバクチカノコガイと、フネアマガイ

うちは結果的に両方を使うことになったので、迷っている人のために書いておく。結論から言うと、この二つは互角のツートップだった。

カバクチカノコガイフネアマガイ
値段(当時)298円398円
苔取りの力互角互角
入手性うちの近所ではもう入荷しない買える

うちの体感では、入れた翌朝にガラスが透けていたのはフネアマのほうだった。ただ、そのときは苔の量も水槽も違う。性能差というより条件差だと思っている。

つまり実際に選ぶときの差は、百円と、そのとき店にいるかどうか。うちがフネアマに替えたのも、性能の比較ではなく「カバクチの入荷がなかったから」である。そして今も、近所の店にカノコさんは入ってこない。いま買えるのはフネアマのほうだ。

増えないのが、いちばんありがたい

貝を入れるとき、いちばん心配なのは増えすぎだと思う。スネールのたぐいは、気づくとガラス一面に貼りついて、水槽の景色そのものを壊してしまう。

この二つは、増えない。だから景観を損ねることがない。放っておいても、静かに苔だけ減っていく。そのかわり、寿命が来たら買い直すことになる。うちのカノコさんも、そうだった。

数百円で、増えず、掃除もいらず、苔だけ食べて働く。コスパも苔取りの力も、これが最強だと思っている。

水面より上には、上がってこない

貝は脱走するとよく言われる。ところがうちのカノコさんもフネアマも、水槽の中でさえ、水面より上に上がってこない。ずっと水の中で、ガラスと石のあいだを回っている。だから、ふたのことも水位のことも、心配したことがない。(うちのフィギュアケースの水槽は台座をふたにしているが、あれは水の蒸発よけだ)

ちなみにオトシンネグロもいたことがある。吸盤みたいな口でガラスにぴたっと張り付いて、パクパクしていたが、それでガラスの曇りが取れた試しはなかった。いまはもういない。苔取りは、貝に任せている。

その貝が働いてくれるおかげで、赤と黄と青のエビも、増やしすぎた容器も、ちゃんと見える。

入れたものカバクチカノコガイ(2025年秋)→ フネアマガイ(2026年春から)
効き目互角のツートップ。うちではフネアマが翌朝、カバクチが数日で透明になったが、苔の量が違うので条件差
経過カバクチは七か月半働いて天命をまっとうした。後継が入荷せずフネアマへ
メモ当時の値段はカバクチ298円・フネアマ398円増えないので景観を損ねない。そのかわり寿命が来たら買い直す。水の外には出てこない。オトシンネグロはガラスの曇りには効かなかった

今日も角砂糖ひとカケ🧊
働き者に、感謝。