ガラス面が、緑になっていた。
苔だ。スポンジで擦ればとれるが、翌日にはまた生えている。いたちごっこにもほどがある。

調べたら、カバクチカノコガイというのがいいらしかった。苔取りの貝として有名で、「最強」という文字があちこちで出てきた。フネアマガイという選択肢もあったが、カバクチの方が安かったので、カバクチにした。
入れてすぐ、ガラス面に張り付いて動き始めた。

食べている。ちゃんと食べている。通過した跡だけきれいになっていく。

数日後、ガラスが透明になっていた。

黙々と働く。文句も言わない。ごはんは苔で足りている。こういう存在が、水槽には必要だ。
その後、カノコさんは天命をまっとうした
この記事から七か月半たった春、ガラス面がまた曇りはじめた。じわじわと、しかし確実に。見に行ったら、カノコさんが静かに役目を終えていた。
後継を買いに、いつものショップへ行った。「カバクチカノコガイ、入ってますか」「あー、最近入荷ないんですよね。予定も今のところ……」
そうか。同じ貝は、もう来ない。それで、あのとき値段で見送ったほうを迎えることになった。フネアマガイである。
カバクチカノコガイと、フネアマガイ
うちは結果的に両方を使うことになったので、迷っている人のために書いておく。結論から言うと、この二つは互角のツートップだった。
| カバクチカノコガイ | フネアマガイ | |
| 値段(当時) | 298円 | 398円 |
| 苔取りの力 | 互角 | 互角 |
| 入手性 | うちの近所ではもう入荷しない | 買える |
うちの体感では、入れた翌朝にガラスが透けていたのはフネアマのほうだった。ただ、そのときは苔の量も水槽も違う。性能差というより条件差だと思っている。
つまり実際に選ぶときの差は、百円と、そのとき店にいるかどうか。うちがフネアマに替えたのも、性能の比較ではなく「カバクチの入荷がなかったから」である。そして今も、近所の店にカノコさんは入ってこない。いま買えるのはフネアマのほうだ。
増えないのが、いちばんありがたい
貝を入れるとき、いちばん心配なのは増えすぎだと思う。スネールのたぐいは、気づくとガラス一面に貼りついて、水槽の景色そのものを壊してしまう。
この二つは、増えない。だから景観を損ねることがない。放っておいても、静かに苔だけ減っていく。そのかわり、寿命が来たら買い直すことになる。うちのカノコさんも、そうだった。
数百円で、増えず、掃除もいらず、苔だけ食べて働く。コスパも苔取りの力も、これが最強だと思っている。
水面より上には、上がってこない
貝は脱走するとよく言われる。ところがうちのカノコさんもフネアマも、水槽の中でさえ、水面より上に上がってこない。ずっと水の中で、ガラスと石のあいだを回っている。だから、ふたのことも水位のことも、心配したことがない。(うちのフィギュアケースの水槽は台座をふたにしているが、あれは水の蒸発よけだ)
ちなみにオトシンネグロもいたことがある。吸盤みたいな口でガラスにぴたっと張り付いて、パクパクしていたが、それでガラスの曇りが取れた試しはなかった。いまはもういない。苔取りは、貝に任せている。
その貝が働いてくれるおかげで、赤と黄と青のエビも、増やしすぎた容器も、ちゃんと見える。
| 入れたもの | カバクチカノコガイ(2025年秋)→ フネアマガイ(2026年春から) |
| 効き目 | 互角のツートップ。うちではフネアマが翌朝、カバクチが数日で透明になったが、苔の量が違うので条件差 |
| 経過 | カバクチは七か月半働いて天命をまっとうした。後継が入荷せずフネアマへ |
| メモ | 当時の値段はカバクチ298円・フネアマ398円。増えないので景観を損ねない。そのかわり寿命が来たら買い直す。水の外には出てこない。オトシンネグロはガラスの曇りには効かなかった |
今日も角砂糖ひとカケ🧊
働き者に、感謝。