夫が、本を買ってきた。
ヨシタケシンスケの『ヨチヨチ父』。育児イラストエッセイだ。ソファで読みながら、しきりに頷いている。何かあったんだろうか。
帯にはこうある。「パパは共感。ママは落胆。」
読んでみた。

結論から言うと、帯の通りになった。
感想はひとことで済んだ。パパって、いちばん大きい子どもだなぁ。
ただ、この落胆は嫌いじゃない。本の中のパパは、とまどって、空回りして、それでもいちおう参加しようとしている。憎めないのだ。肩のひとつも持ちたくなる、絶妙な描かれ方だった。
夫がいちばん頷いていたのは、寝た子どもを抱き上げたときの話らしい。首に小さな腕がまわってくる、あれで昼間の苦労が全部チャラになるのだという。
ぴんとこなかった。
たぶん、受け取っている回数が違う。こっちは毎日あれを受け取りながら、毎日イラッとしている。日常になると、報酬は給料に変わる。チャラにできるのは、たまに受け取る人だけだ。
私が頷いたのは、別のところ。出かけるとき、パパは自分の準備しかしない、というくだり。
わかる。
うちのは、今もそう。
しかも本人に、悪気というものが一切ない。そこも本の通りだった。
子どもたちが大きくなって、育児のとまどいはずいぶん昔の話になったけど、玄関でひとりだけ準備万端の人は、今日も健在だ。うちのいちばん大きい子どもには、もう貫禄すら出てきている。
ちなみに今週、わが家はヨシタケシンスケ祭りである。弱音の本と大喜利の本に続いて、3冊目。
今日も角砂糖ひとカケ🧊
落胆は、共感の親戚だった。