もう何個目か、正直わからない。
ベッドを買う。気に入ってくれる。数日で中身が出る。真夏に銀世界になった話は前に書いたけれど、あれで終わりではなかった。
何を入れても、翌朝には雪が積もっている。
東北か? ここは。
それなら、と外してみた
綿があるから出される。だったら置かなければいい。単純な話だと思った。
ベッドを外した。
その夜、トイレで寝ていた。
シートの上で、いつもの顔で丸くなっていた。まあ、涼しいのかもしれない。そう思って眺めていた。
そのうち、困ったことになった
寝床としてのトイレが定着してくると、当然、そこでは用を足さなくなる。
犬はもともと、寝るところと用を足すところを分けたがるらしい。うちのもちゃんと分けた。分けたうえで、寝るほうにトイレを選んだ。
結果、何もないところが、トイレになった。
ここでようやく、外したのがまずかったと気づいた。ベッドを戻せば済むと思ったけれど、一度おぼえた「トイレは寝心地がいい」は、戻らなかった。
ペットショップで見つけたもの
ハイビスカスを2株買って帰ってきたあの日、本来の目的はこれだった。壊されない寝床を探すことである。
猫用のコーナーに、猫鍋みたいなたらいがあった。丸くて、囲まれていて、いかにも収まりがよさそうだった。これはアリかもしれない、と思った。
その隣に、板があった。
銀色の、ただの板である。アルミなのかどうかは知らない。すみっこに雪の結晶と、ペティオ? って書いてある。
綿もない、布もない。噛むところがない。これだ、と思った。

入れた瞬間から、掘った
ケージに入れて、置いた。その瞬間だった。
ギィィィヤァァアアアー。
掘っている。爪とぎかというくらい、掻きまくっている。
ベッドをズタズタにしていたときと、やっていることは同じだった。寝る前に寝床をととのえる、あの習性である。前に調べて、そういうものだと納得したはずだった。相手がこの板になっても、変わらないとまでは考えていなかった。
黒板に爪を立てる、あの音。それの、もっとひどいやつ。断末魔である。
サイコスリラーでひんやり、じゃねーよ。
そして、逆になった
板とトイレを、両方入れてみた。これで役割がはっきりするだろう、と思って。
翌朝。
トイレで寝て、板におしっこをしていた。
見事に、逆である。
そういえば、シャンプーにいいと聞いて買ったランドリーバスケットも、秒で飛び越えられて、ただの洗濯かごに戻った。
うちで買うものは、だいたい別の用途に落ち着く。
いま、うちにはトイレが2つある
しつけ直すという選択肢も、たぶんあったのだと思う。
でも、寝るところと用を足すところを分けたい、という本人の言い分は最初から一貫している。ずれていたのは、どっちがどっちか、という一点だけだった。
それなら、こちらが合わせたほうが早い。
トイレを2つ置いた。寝る用と、用を足す用。

今のところ、これでうまくいっている。人間から見ると間抜けな絵面だけれど、本人はどちらにも満足しているらしい。

板は、今日も静かに立てかけてある。
ちなみにこの音、曲にもなりました。🎵 Deathbed(Spotifyで聴く)
今日も角砂糖ひとカケ🧊
寝る用と、用を足す用。あとは飾る用も、いるのかしら。