ライトの下で、イエローチェリーシュリンプたちが
ゆっくりとモスの森を歩いている。
気づけば、底一面が金色だった。
実はこの水槽、ダイソーのフィギュアケースを
逆さまにしただけのもの。
それでも、そこにちゃんとした“世界”ができていた。

フィギュアケースを水槽に。ズボラでも作れる小さな生態系
この水槽のはじまりは、たった5匹のイエロー。
本当はオスとメスをバランスよく買わないと
繁殖は安定しないんだけど、
そこはちょっとケチっちゃって。
運とタイミングに任せた結果、
気づけば森の底が金色に染まっていた。
群れがゆらめくその様子を見ていたら、
ふと頭の中に流れたのはナウシカのあの旋律。
「らん、らんらららんらんらん——」
金色の群れが生きて光る様は、
まるで王蟲の金の糸のようだった。

フィルターもヒーターもなし。それでも澄むズボラ水槽
フィルターもポンプもなし。
ソイルを敷いて、ウィローモスを沈めただけ。
それでも水が濁らないのは、
ソイルの中やモスの表面で
小さな命たちが働いているからだ。
バクテリアが汚れを分解し、
植物が酸素を生み出す。
その循環の上で、エビたちはツマツマと暮らしている。
餌をあげなくても、彼らはちゃんと暮らしている。
モスの表面には、見えないほど小さな命がついていて、
それをツマツマして生きている。
世界は思ったより、勝手に循環してくれる。
何も付属させたくないけれど、
ライトだけはつけている。
環境のためじゃなく、自分の目と心を潤すために。
光を浴びたモスの森は、まるで呼吸しているように見える。
“与えるため”じゃなく“眺めるため”の餌時間
餌はザリガニ用の沈下性タイプ。
栄養とか成分とか、正直どうでもいい。
ただ、ツマツマしてる姿を見たいときだけ、
ひと粒だけ落とす。
“与えるため”じゃなく、“眺めるため”。
それくらいの距離感がちょうどいい。
命の循環。卵を抱えた母エビと初孫の誕生
そんなある日、モスの奥でツマツマと動く影を見つけた。
よく見ると、卵を抱えた母エビだった。
世界は、思ったよりちゃんと循環している。

そして数日後、ガラス越しに漂う小さな影。
孵化したばかりの赤ちゃん。
初孫です。

カノコさんという名のカリスマ家政婦
前回の記事で登場した、カリスマ家政婦「カノコさん」。
彼女の働きもあって、
フィギュアケースの森は今日も透明度MAXだ。

水換え不要。ズボラに続く日々のメンテナンス
思えば、幼少期の金魚水槽を諦めた理由も、
たぶん「水換えが面倒」だったから。
(というか実際にやっていたのは親だけど(笑))
でもこの水槽は違う。
蒸発したぶんだけ、
100均のカルキ抜き一粒を溶かした水を足すだけ。
それだけで、世界はまわっていく。
水槽を探すより、日用品を探せ
そもそも“水槽”で探すとやたら高い。
でも「梅酒瓶(果実酒用ガラス瓶)」や「米びつ」で探すと、
形も可愛くて、値段も優しい。
子ども部屋を見渡せば、
味海苔のプラスチック容器、
カブトムシの飼育ケース。
そこにも、世界をつくる素材が転がっている。
このフィギュアケースも、
ひっくり返したらぴったりだった。
(容器チョイスの話はまた別の機会に☕️)
今日のひとカケ🧊
私は手を抜くために手は抜かない。
ズボラの極意。
——フィルターなしで完結する小さな生態系が、それを証明している。


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