🌱庭のつづり

十年目に、口を割った。

スターフルーツが、咲いた。

今朝、ゴミを出しながら、なんとなく見上げた。

この木はいま、うちの庭でいちばん背が高い。四月には三位だったのに、いつのまにか首位に立っていて、そろそろ敷地からはみ出しそうになっている。大胆に剪定しようかな、と思いながら眺めていた。

どうせ咲かないんでしょ。だんまりでしょ。

……ん? ん??

スターフルーツの枝に、赤い軸の先に小さなピンクの花とつぼみが房になってついている

え、今?

口の堅い三本の、一本

十年以上前、沖縄土産の実から種をとって育てた木だ。(→あやうくシュレッダーの餌食になるところだった。)花を見るのは、これが初めて。

八月には、うちの庭の木は口が堅い、と書いた。キンモクセイは十五年、スターフルーツは十年、黙っている。岩つつじにいたっては、一言も喋らないまま出ていった。(→咲かない庭。)

そのうちの一本が、口を割った。

しかも、切ろうとしたところで。雪で丸坊主になった春も、ばっさりやろうとして手が止まったら、新芽が出ていた。

六千円の花

そういえば、このあいだ園芸店で、花と実のついたスターフルーツの鉢を見かけた。六千円くらい。高っ、と思いながらのぞきこんで、こんな花が咲くんだー、と眺めていた。

その花が、うちでも咲いた。赤い軸の先に、小さなピンクの花とつぼみが、ころころと房になって並んでいる。

元手は、食べ終わった実の種だけ。かかったのは、十年。

実ったら、冬

調べてみると、スターフルーツは暖かいところだと、一年のうちに何回かに分けて花をつける木らしい。秋に咲くのも、おかしなことではないみたいだ。

ただ、仮に受粉して実ったとして、そこから先は冬である。トロピカルが、冬。

無理ゲーじゃない?

でも、咲いたことがうれしすぎて、あまり気にならない。

今日のひとかけ🧊
切られそうになると、しゃべる木。