🌱庭のつづり

愛情オーバードーズ。

愛情が、根を腐らせたかもしれない。

子どものころ、犬が飼いたくて本屋さんで立ち読みをした。タイトルは覚えていないけど、内容はなんとなく残っている。犬は可愛がるほど早死にする、という話だった。当時はまだ、犬に人間の残飯をあげるのが普通だった時代。愛情と無知が、悪意なく犬を追い詰めていた。

へえ、と思って本を閉じた。

いい歳になって、イチジクを買った。ビオレ・ソリエス。フランス原産の、果肉が濃くて甘い品種らしい。果重50g程度、糖度23度で、収穫は8月中旬から11月中旬まで続く。受粉樹も不要という、なんとも優秀なやつだ。ラベルの説明を読んで、なんとなく大事にしようと思った。

ビオレソリエスの苗。ラベル付きの鉢に細い幹が立ち、下部に小さな緑の芽が出ている

朝、水をやった。晩も、やった。半日陰の、風通しのいい場所に置いた。ちゃんとやっていた、つもりだった。

元気な頃のビオレソリエス。緑の大きな葉が広がり、鉢植えで育っている

それでも、葉っぱは枯れた。上から順番に、静かに。

枯れ始めたビオレソリエス。上部の葉がしおれて茶色くなり、下部にわずかに緑が残っている

原因はたぶん、根腐れだと思う。土が乾く前に水をやり続けて、根が窒息したんじゃないかと。鉢植えは地面と違って水はけに限界がある。底から水が出るくらいたっぷりやったら、次は土の表面が乾くまで待つ。頭ではわかっていた。でも、しおれているように見えて、待てなかった。でも正直、今もよくわからない。わからないまま、葉が全部落ちた。

もう無理だと思って、鉢のメリットを諦めて地植えにした。鉢より土が多い方が、まだ可能性がある気がした。今は幹だけが残っている。生きているかどうかも、まだわからない。ほったらかしが一番正解だったのかもしれない、と、今はそう思う。

地植えに移行したビオレソリエス。土に刺さった幹だけが残り、周囲には枯れ葉が散っている

本屋で立ち読みした本のことを、このとき初めて思い出した。

愛情の使い方を間違えると、枯れる。植物も、犬も、たぶん何でも。知っていたはずのことを、イチジクに教えてもらった。折れても根は腐らない、という話もある。こっちは腐ったかもしれないけれど。

せめてうちの犬には、活かそうと思う。

今日も角砂糖ひとカケ🧊
用法・容量を守って、愛してください。

※ビオレ・ソリエス、経過観察中。続く。