この春の紫蘇には、前日譚がある。期限切れの種をまいて、見事に発芽せず、結局100円の苗をふたつ買った。その後、鉢から芽が出てきて色めき立ったら、雑草だった。ここまでが、前回までのあらすじ。
今日は、その紫蘇たちの「その後」である。

植えたのは、例によって日向土。ほぼ軽石で、栄養はほとんどない。水と光と液肥だけで育てる、いつものスパルタ(永田農法)だ。「甘やかさないからね」と言い聞かせて、プランターへ。

植えた直後は、こんなにスカスカ。空いた土は「まだ種が生えてくるかも」の保険だったけれど、生えてきたのは例の雑草だけだった。
それから、約3ヶ月。

こうなった。
スパルタが効いたのか、軽石だらけの日向土で、このモサモサ。種は結局ひとつも発芽しなかったけれど、2苗だけで食卓は十分に色づいた。
紫蘇がおいしいと感じるとき、日本人でよかったと思う。餃子にニラの代わりで入れても最高だし、薬味としても優秀。刻んで醤油漬けにすれば、それだけでご飯が進む。
ところで、「大葉」と「しそ」って何が違うの?
わが家は、断然「しそ」派。でもスーパーでは「大葉」で売っている。この呼び分け、なんなんだろうと調べてみたら、けっこう面白かった。
「しそ(紫蘇)」は、植物ぜんたいの名前。赤じそも青じそも、芽じそも穂じそも、ぜんぶまとめて「しそ」。いっぽう「大葉」は、青じその“葉っぱ”を香味野菜として売るときの商品名なのだそう。1960年代、静岡の生産者さんが、しその「芽」と「葉」を区別して出荷するために、葉のほうを「大葉」という名前で売り出したのが始まり、と言われている。
つまり——プランターで育てているのは「青じそ」、刻んで薬味にすると「大葉」、植物ぜんたいを指すと「しそ」。呼び方が3つあるだけで、ぜんぶ同じ子である。ややこしい子だ。
ついでに「紫蘇」という字にも、いわれがある。カニにあたって倒れた人へ紫の葉を煎じて飲ませたら“蘇った”ことから、紫の蘇らせる草で「紫蘇」。薬味が、もともと薬だったという話。スパルタで鍛えたうちの子も、きっと誰かの元気の素になる。
実家には、玄関横のコンクリの隙間から、毎年こぼれ種で生えてくる紫蘇があった。あんまり立派だったので株を分けてもらって、庭に地植えしたことがある。その年は、たくさん採れた。これは毎年つながるぞ、と思った。翌年、全然だった。連作障害、だろうか。
地面ではうまくいかなかったのに、プランターはこの通り。毎年、日向土を入れ替えて、苗を2つ買う。それだけで、スーパーで都度買うよりずっとコスパがいい。来年も、たぶんスパルタでいく。ただし効くのは植物だけなので、家族には引き続き、褒める方針です。
| 作業 | 青じそ(大葉)の苗をプランターに定植 |
| 用土 | 日向土(ほぼ軽石のみ・スパルタ栽培) |
| 時期 | 5月上旬に定植 → 7月下旬に収穫最盛(約3ヶ月) |
| メモ | 期限切れの種は発芽せず。苗2株で家庭の薬味は十分まかなえる |
今日も角砂糖ひとカケ🧊
紫蘇はスパルタ、人は褒めて。