赤・黄・青がそろった。

信号機、完成である。
容器は、ダイソーのフィギュアケース
もとをたどると、小さな容器から始まっている。
ダイソーのフィギュアケースを、逆さまにしたものである。ふだんは台座の上に透明なカバーをかぶせて使うものを、上下ひっくり返す。カバーが器になって、台座が受け皿になる。専用の容器を買うより、ずっと安い。
ここでイエローチェリーシュリンプを飼い始めた。最初は五匹。

これがなかなか増えなかった。しばらく五匹のままで、そういうものかと思っていた。
ところが一度産卵してからは、あっという間だった。

底に、黄色が並んでいる。
同じように、ブルー・ベルベットも別の容器で増やした。

メイン水槽を、ミックスにした
うちにはもうひとつ、なんでも入っている球体のガラス水槽がある。そこにはストロベリーチェリーシュリンプが原住民として住んでいる。
黄と青が安定して増えたので、メイン水槽に合流させた。赤がいて、黄が来て、青が来る。
それで、冒頭の一枚になる。
デメリットは、先祖返り
いいことばかりではない。
この三色はすべて同じ種類の色違いなので、普通に交雑する。混ざった子は中間の色になり、それを何代も繰り返すと——最後はシナヌマエビのような、地味な色に戻っていく。
実際、だんだん色の薄い子や、縞の入った子が混じるようになってきた。つまりミックス水槽は、数世代のあいだの楽しみということになる。
ただしこれは織り込み済みである。イエローとブルー・ベルベットの純系は、個別の容器に残してある。メインが地味になっても、種は失わない。
混ぜないと、出てこないものもある
そして、失うだけではなかった。

交雑した子のなかに、体の真ん中だけ色が抜けて透明になった個体が出た。頭と尾に色が乗って、胴が抜ける。

調べてみて驚いた。これは「ルリー」と呼ばれる柄で、そもそもの始まりが、レッドチェリーシュリンプの選別のなかから「頭と尾だけ赤くて、お腹が透明」な個体が現れたことだったという。それを固定したものが、いまルリーシュリンプという名前で売られている。
つまりうちの水槽で起きたのは、ルリーという品種が生まれたときと同じことだった。混ぜたから出てきた柄である。
色は薄れていく。でも、混ぜないと出てこないものもある。
うちの信号は、本物の青
最後にひとつ。
日本語では昔から緑のことを「青」と呼んできた。青菜、青りんご、青葉。信号もそれで、1930年ごろの法令には「緑信号」と書かれていたのが、新聞などで「青」と書かれて広まり、あとから法令のほうが「青」に書き換えられたのだという。いまも「できるだけ青に近い緑色の光」と定められている。
つまり、街の青信号は緑である。
うちの信号だけ、本物の青が光っている。
それ、信号やん
白状すると、この「信号機」には前がある。
子どものころ、チューリップの歌を間違えて覚えていた。
赤、青、黄色。きれいだなあ。
花の色をそう覚えていて、本気でうっとりしながら歌っていた。それを聞いた親に、こう言われた。
それ、信号やん。
正しくは、青ではない。指摘としては完全に正しい。ただ、こちらは大まじめに歌っていたので、なかなかに苦い記憶として残った。
あれから、ずいぶんたった。
いま、うちの水槽には赤と青と黄色が並んでいる。
今度は、間違いではない。
しかも本物の青である。信号より、よほど青い。
——と、ここまで書いて気づいた。
あの歌に出てくるのは、青ではない。白である。
つまりうちの水槽は、いまも信号のままだ。歌には、まだ追いついていない。
ちなみに白いシュリンプはいる。スノーホワイトシュリンプという、これも同じカワリヌマエビ属の品種で、内臓が透けるほど白い。
迎えれば、赤・白・黄色がそろう。四十年越しに、歌のほうが正しくなる。
ただ、そうすると青が余る。信号のほうが壊れる。
| 飼っているもの | イエローチェリー/ブルー・ベルベット/ストロベリーチェリー(すべてカワリヌマエビ属) |
| 容器 | 個別=ダイソーのフィギュアケースを逆さにしたもの/メイン=球体のガラス水槽 |
| 経過 | イエローは五匹から。長く増えなかったが、一度産卵してから一気に殖えた |
| メモ | 色違いはすべて同種なので交雑する。代を重ねると野生色(シナヌマエビ様)へ戻る。純系を別容器に残しておけば種は守れる。交雑からルリー柄など思わぬ個体が出ることもある。白はスノーホワイトシュリンプ(同じカワリヌマエビ属) |
今日も角砂糖ひとカケ🧊
赤、青、黄色。白はいずこ。