ギブ・アンド・テイクから学ぶ、損しないギバーの生き方

抹茶ラテとブルーラテが並ぶカラフルなドリンク 📚 本のしおり

アダム・グラントの『ギブ・アンド・テイク』は、与えることと成功の関係をテーマにした一冊です。
人を大きく3タイプに分けて考えます。

  • ギバー:惜しみなく人に与える人
  • テイカー:自分の利益を最優先する人
  • マッチャー:与えることと受け取ることのバランスを取る人

一見すると得をするのはテイカーに思えますが、長期的に最も成功するのは「ギバー」。
ただし注意すべきは「自己犠牲型ギバー」ではなく、「持続可能なギバー」であることです。


ギバー・テイカー・マッチャーとは?

Q: ギバー・テイカー・マッチャーって何?
A: 人を3タイプに分ける考え方で、ギバーは「与える人」、テイカーは「奪う人」、マッチャーは「バランスを取る人」を指します。


寛大なしっぺい返し(竹篦返し)

良い行いはけっして忘れず、悪い行いをときどき大目にみる、寛大なしっぺい返し。

「しっぺい返し(竹篦返し)」とは、もともと竹のヘラで軽く叩き合う遊びが由来で、転じて「やられたことをやり返す」意味で使われます。
グラントはこの考え方をアレンジし、仕返しの発想に“寛容さ”を加えました。

完全にテイカーを許すわけではなく、良い行いは必ず覚えて返し、悪い行いは必要に応じて返す。
ただ、ときには大目にみる余白を持つ。
これが「利用されないギバー」でいるための知恵です。


原石は見つけるより磨く

グラントは、才能を「発掘すること」よりも「信じて育てること」の大切さを説いています。
原石を見つける目利きになるよりも、信じて磨き続ける人こそが成果を広げていく。

木のテーブルに広がる抹茶パウダーと茶筅

この考え方に触れて思い出したのが、漫画『ハイキュー!!』の及川徹の言葉です。

「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」

才能は環境や努力で花開き、センスは小さな積み重ねで光っていく。
『ギブ・アンド・テイク』の「原石を磨く」というメッセージと重なり、人の成長を信じる行為そのものが「ギブ」なのだと感じました。

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自己犠牲ではなく他者指向性

与える人の中でも「自分を削るギバー」は燃え尽きてしまいます。
大切なのは 自己犠牲ではなく他者指向性

相手にプラスを届けながら、自分も前に進める。
その形こそが「持続可能なギブ」であり、長期的な成功や信頼につながります。

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自己犠牲型と持続可能型、そして自分

うちの職場にも、まさに本で描かれているような「自己犠牲型のギバー」と「持続可能なギバー」がいます。
どちらのタイプも、不思議なことに「ギブ自体を躊躇していない」ように見えるんです。

自己犠牲型の典型だなと思うのは、深夜まで残っていたり、休日や時間外にも普通に出てきて働いている人
夜勤のときにその人がいて、「え、ここに住んでるの?」と思ったこともあるくらい。
もはや住民票どころか、本籍まで職場に移してるんじゃないか、と冗談を言いたくなる存在です(笑)。

私はそれを見て、「どうしてそんなに自然に与えられるんだろう」と思ってしまう。
そう思う時点で、私は根っからのギバーではなく、よくてマッチャー止まりなのかもしれません。

…まあ、抹茶味には目がないんですけどね(笑)。
純度100のお抹茶の苦みもおもむきがあって、それも好き♡

泡立てた抹茶を茶筅ですくう様子

搾取されないギバーになるには、「寛大なしっぺい返し」をどう使い分けるか、そのグラデーションが大事なんだろうなと思います。
抹茶味も、苦みの配分を間違えるとただ苦いだけ。
シングルタスク気味の私は、そんな器用なさじ加減ができるだろうか――そこが今の自分の課題です。


他の研究で語られる「与える人の幸福効果」

『ギブ・アンド・テイク』自体は「成功」に焦点をあてていますが、ポジティブ心理学の分野では「ギブが幸福にもつながる」と語られています。

代表的なのが 百時間ルールヘルパーズハイ です。

  • 百時間ルール
     年間100時間(週に約2時間)を人のために使うと、最も幸福感が高まるという研究。
  • ヘルパーズハイ
     人を助けたときに脳内で快楽物質が分泌される現象。

これらは本書には直接出てきませんが、「ギブは他者だけでなく自分の幸福にも還ってくる」という点で、強い補完関係にあります。

茶漉しから抹茶が舞い落ちる瞬間

まとめ

『ギブ・アンド・テイク』は、与えることが巡り巡って成功につながることを教えてくれる本でした。
ポイントは「自己犠牲型」ではなく「持続可能なギバー」。

  • 良い行いを忘れず、悪い行いはときどき大目にみる「寛大なしっぺい返し」
  • 「原石を磨く」姿勢(才能は開花させ、センスを磨く)
  • 自己犠牲ではなく他者指向性
  • 関連研究として「百時間ルール」「ヘルパーズハイ」

あなたはどのタイプだと思いますか?
ギバー? テイカー? それともマッチャー?


おまけ:ふくよかで体型にも余裕があるギバーの名言

これは本筋から少し外れるけど、職場にいる“持続可能っぽいギバー”の話。

売店でハイカロリーなスイーツ2品を前に迷っていた私。
そのとき、後ろから耳元でささやかれたひとこと。

「迷ったらどっちもですよ♡」

ふくよかでおおらかな雰囲気のその人。
しかも 体型にも余裕がある から、妙に説得力があるんです(笑)。
変に我慢しなくてもいいんだって気持ちが軽くなりました。

これも立派な “メンタルをギブ”
ギバーって何も大げさなことじゃなく、こういう笑いと余裕をくれる存在なのかもしれません。


今日のひとカケ🧊

ギブは巡る。抹茶も巡る。……でも一番好きなのは抹茶のキットカット🍫🍵

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