最後の絵に、少女はいない。

又吉直樹とヨシタケシンスケの共著「その本は」の表紙。二人の人物が風呂敷を背負って旅に出るイラスト。 📚 本のしおり

ヨシタケシンスケさんの絵本は、家族全員が好きだ。『りんごかもしれない』も『もうぬげない』も、棚に並んでいる。

だから又吉直樹との共著と知って、迷わず買った。又吉も、芸人としても文化人としても好きだから。

又吉直樹とヨシタケシンスケの共著「その本は」の表紙。二人の人物が風呂敷を背負って旅に出るイラスト。

「その本は」は、二人が「世界一の本」を探して旅に出る物語だ。章ごとに語り手が変わって、雰囲気もがらっと変わる。ヨシタケさんのパートは相変わらずの安定した世界観で、読んでいて心地よい。

でも、第7夜で止まった。

二人の子どもが交換日記をしている話だった。絵が上手で、二人とも絵本作家を夢見ている。そのうちの一人、女の子は事情があって転校してきた子で、ある日突然また転校していなくなる。

物語はそこで終わる。女の子がどうなったのか、描かれないまま。

最後のページの絵本には、少年だけが描かれている。少女はいない。

描かれなかったのか、描けなかったのか。そこを書かないから、余計に悲しい想像をしてしまう。ずっと頭に残っている。

本全体を通して緩急がよくついていて、じんわりくる本だった。でも私にとっては、第7夜だけがまだ終わっていない。

今日も角砂糖ひとカケ🧊
描かれなかったものが、いちばん長く残る。

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