アボカドを食べると、種が残る。
あの、まんなかにでんと座っている大きいやつ。捨てるのがなんとなくもったいなくて、爪楊枝を三本刺して、グラスの水に浸けた。

根が出た。
種のおしりが割れて、そこから白い根が下りていく。上からは芽。水を替えるだけで、勝手に進んでいく。
この段階が、いちばん楽しい。
そして、調子に乗って庭に植えた。
冬に、いなくなった
越冬できずに枯れた。
書いていて気がついたのだが、これ、マンゴーとまったく同じ負け方をしている。
- 食べたあとの種を水に浸ける
- 根が出る。うれしい
- 土に植える。まだうれしい
- 調子に乗って地植えする
- 冬に枯れる
マンゴーは2回やって2回とも冬に負けた。うっすら積もった雪で終わった。
アボカドも熱帯の木なので、そりゃそうである。
ついでに言うと、蟠桃は液肥をやりすぎて枯らしている。うちの負けパターンは、はっきりしている。発芽した瞬間に浮かれる。
でも、こっちのループは止まらない
マンゴーのほうは、実は去年でループが止まった。
種の中身が育っていなくて、水に浮いたのだ。マンゴーは友人が年に一度送ってくれるものなので、その一個が外れると、その年は打ち止めになる。(そのときの話はこちら)
アボカドは、そうならない。
スーパーに売っているからだ。
よく買って食べるので、気が向いたらまたやってしまう。種は勝手に手に入るし、水に浸けるだけなら手間もかからない。
止める理由が、どこにもない。
というわけで、2代目がいる。

右にいるのはマンゴーの3代目。負けた者どうしが、同じ窓辺に並んでいる。
ひょろい
見てのとおり、茎が一本すーっと伸びて、てっぺんにだけ葉が集まっている。ひょろい。
調べたら、アボカドはこうなるのが普通らしい。放っておくと上にだけ伸びるので、ある程度の高さで一度切ると、脇から枝が出て横に広がるとのこと。切るのが正解、というやつだ。
プルメリアのときも、切ったのが結果的に手当てになっていた。切ると増えるとか、切ると戻るとか、この庭はだいたいそういう話ばかりしている。
そのうち切ろうと思っている。
ただ、切ったところで冬は来る。
ところで、実はなるのか
ならない、と思っておいたほうがいい。
種から育てたアボカドは、花が咲くまで十年ほどかかるらしい。しかも一本では実りにくい。
アボカドの花にはA型とB型がある。オスメスの話ではなくて、同じ花が一日目と二日目で役割を入れ替える。A型は一日目の午前にメシベ、二日目の午後にオシベ。B型はその逆である。だから両方の型がそろっているほうが、実がつきやすい。
先月、その型を決めている遺伝子が一つ見つかったというニュースを見た。カリフォルニア大学の研究チームが、七月末にアメリカの科学アカデミー紀要(PNAS)に発表したものである。これまでは花が咲くまで十年待たないと型が分からなかったが、苗の段階でDNAを調べればわかるようになるらしい。
十年待たなくてよくなった、という話である。
うちのは、十年もたない。
そういえば以前、あさつきのことを永久機関だと書いた。刈っても生えて、掘り上げて干せば翌年また植えられて、しかも1球が7〜8球に増える。
アボカドの永久機関は、あれとは回り方が違う。
庭の中で回るのではなく、スーパー経由で回っている。食べるたびに、次の種が来る。
止まらないわけだ。
| 育てたもの | アボカド(食べたあとの種・実生) |
| やり方 | 種に爪楊枝を三本刺してグラスの水に浸けるだけ。水を替えていると根が出て、上から芽が出る |
| 結果 | 1代目は地植えして、冬に枯れた(熱帯の木なので越冬できない)。2代目はいま室内の窓辺 |
| メモ | 発芽は簡単。壁は冬、その次が十年(実生は花まで十年ほど。A型とB型がそろわないと実りにくい)。マンゴーとまったく同じ負け方。放っておくと茎だけひょろ長くなるので、途中で切ると脇枝が出るらしい |
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今日も角砂糖ひとカケ🧊
種子は、永久機関。